サノジ・ログ

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【MHW】発売から1年を経たMHWの感想

 昨年の1月26日にモンスターハンターワールドが発売となりました。もうすぐ発売から1年で、それに併せてゲーム内でも1周年記念イベントが配信されますが、1年経ってモンスターハンターワールドはどうだったかを私なりの見解で記事にしたいと思います。

良かったところ

 今まで作り上げた不文律を良い意味でぶっ壊した、という点が大きいです。モンスターハンターシリーズが初めて世に出たのは2004年なのですが、以後カプコンの人気タイトルとして君臨し続けてきました。それは素晴らしい事なのですが、シリーズごとの変遷って意外と少なくて不文律と言われる部分はほとんど変わることなく以後のシリーズが続いていきました。不文律というのは例えばアクションの流れで、クエストを受けて旅立って、ペイントを付けて戦ってエリチェンでロードが入ってばーっとモンスターと戦う…というのはMHWより前のシリーズでは一切変わっていません。MH3で水中戦が追加されたり、シリーズごとに新武器や新アクション、新モンスターは追加されましたがこの基本的な動きは全くと言っていいほど変わっていません。それには同じジャンルのゲームでライバルと言えるほど売れる作品がなかったのが原因だと思うのですが、それらのゲーム(ゴッドイーター討鬼伝など)については遊んでいないので言及しないことにします。

 

閑話休題

 

 私がモンスターハンターに初めて触れたのは2005年に発売されたモンスターハンターGなのですが、以後13年間根本的な変化っていうのはありません。ということもあって、それなりにゲームはやるのですがどこか倦怠感が否めなかったんですよね。「あー、どうせこうなんでしょ」「あなたたち(開発の人たち)はこうさせたいんでしょ?」という部分が見えてしまうことによるマンネリ感や、ゲームそのもののの作りがどう考えても甘い部分が見受けられたり…etc私自身のライフスタイルの変化もあいまって、MH4G以降徐々にモンスターハンターというゲームの付き合い方も正直微妙な距離感になっていました。

 

 閉塞感・倦怠感の理由は昔少年ジャンプで連載していたころのドラゴンボールみたいなもので、要は強さのインフレです。強い敵が出てくる⇒それに呼応してハンターも強くなる⇒それを上回る強い敵が出てくる⇒ry…ってな感じで。しかしながらMHWで今までの流れをわりときれいにぶった斬ってくれたと思っています。それをどう表現すべきかと考えたのですが、以下が適切かなと思っています。


モンスターハンターというゲームが携帯機に移行して以降、モンスターvsハンターのガチンコ対決アクションゲーム要素が強くなっていき、もうどっちがモンスターか分かんねーよという状態になってました。
いや、それはそれで全然楽しかったですし、そこを否定するつもりはさらさらないのですが、シリーズを重ねるごとに閉塞感があったことは否めませんでした。なんというかどんどん強さのインフレが進んでいくマンガみたいに。

もちろん本作のハンターも弱いわけではないですが、従来作(特に前作MHXX)と比較するとアクション要素が弱まっており、壮絶な力を持ったハンターがモンスターと殴り合うというのではなく、力と知恵と判断力をフル活用してモンスターと相対するのがハンターである…という形で描かれているように思えるんですよね。もしかしたらその辺がこれだけMHW
引き込まれた理由の一つかもしれません。

Dragon Jet Storm-リーマンハンター狩猟記- : 【MHW】MHW所感

 

 記事の引用が元自分のブログかよ!というのは置いといて、武器ごとのアクションやシステムがどうだ等、MHWが「今までのMHシリーズと変わったな」と思う理由はいくつも挙げることができるのですが、自分としてはこれに尽きるのかなと考えています。

もっと頑張ってほしかったところ

  その一方でもったいなかったなぁと思う点が2つあります。まず1つ目は、難易度ですね。本作は一人でクエストに挑むと敵がソロ用の体力になり、二人以上で挑むと敵はマルチ用の体力の体力になります。ぱっと見は問題無いように見えますが、ソロだとソロの難易度、マルチはマルチの難易度と、要は実質2通りしか難易度の変化はありません(ベヒーモスやマム・タロト等一部モンスターは除く)。

 

 モンスターハンターというシリーズがここまで多くのプレイヤーに愛されてきた理由の一つに、強烈な難易度というものがあると思います。基本的に集会所クエストはソロで挑もうがマルチで挑もうが難易度はマルチの設定であったのですが、そういったマルチ用に設計されたクエストに知恵と技術を尽くしてソロで挑むことにロマンを感じ挑み続ける…というのがある種モンスターハンターのやりこみ要素だったのでした。実はその辺も結構しっかり調整されていて、基本的に装備と技術と知恵を尽くせばマルチのクエストでもなんとかなっていたのですが、本作ではそういったクエストはごく一部のクエストに限られています。

 

 一方マルチのクエストはまぁそれなりに難しかったりしますし、素材集め等の部分でマルチを活用すれば…と思いきや、素材を集める云々というモンスターハンター(というかこの手のゲーム)のキモになる部分は、ソロでやった方が楽です。鳴り物入りで登場した歴戦王系も、強さとしては十分ですが、マルチ特有の巻き込まれ事故で一発昇天なんかもあり、下手にマルチでやるよりソロの方が確実に安定します。そんなこんなで、ゲーム的にみんなで遊んで欲しいという作り手の意図は見えるものの、マルチをやる意義がほとんどないという歪な調整が残念だったなぁと。

 

 二つ目は、やりこみ要素がないという点。正確には装飾品集めやマム・タロトから入手するランダム武器集めなど、一般的にいわれるやりこみ要素はあるのですが、これらは言葉を変えればただのガチャ抽選です。それをやりこみって言われるとどうもなぁ…というのが正直な感想。別にゲームを彩る一要素としてガチャは否定しませんが、現状のMHWを見ているとガチャ「しかない」ようにしか見えません。

 

 この手のゲームで本当にきっちり作りこんでいるなぁと思っているのが、いつぞやちょっと記事にした『Diablo3』です。このゲームの今の主流の遊び方は、グレーターリフト潜りと言われるもので、簡単に言うと制限時間15分以内に一定数の敵を倒してボスを出現させそのボスを倒す…というのをどれだけ高難度でできるかというものを競う要素です。このゲームにキャラの育成要素というものは余りなく、武器防具にランダムで設定されたステータスを積んでいきキャラクターを強化、あとはプレイヤーの腕と運しだい…とざっくり言ってしまえばこんな感じですが、より良い品を手に入れるためにはより高い難度に挑み、必要な素材を集めてキャラクターを強化、その過程の中で手に入るちょっとしたガチャ要素も踏まえてさらに高い難易度に挑んでいく…という流れが本当に自然にできあがっており、没入した結果世界ランク78位になるまでやってしまいました。

 

 このゲームの魅力をもっと的確かつ具体的に伝えるには私の文章能力が足りないのがなんとも残念なのですが、MHWとDiablo3の大きな違いはゲーマーの心をくすぐる要素がいかに自然にバランスよく入っているかの差なのかな、そしてそれらを比較するとMHWにはそこが足りないのでもう少し頑張ってほしいなと思います。とはいえDiablo3も初めからこういったゲームだったわけではなかったようで、数々のアップデートを重ねてここまでにたどり着いています。しかも有料アップデートはほんの数回しかないという徹底ぶり。ここまでやっているからこそ、発売から約6年経過した今でもプレイヤーが遊んでいるのかと思います。

 

 ただ、生生しいことをいうと、そこまでできるのは世界レベルで売れているゲームメーカーのBlizzardだからできるともいえます。ユーザーからお金を取らず無料で製品に携わるということはすなわちその期間の経費だけが増えていくわけですから、それに見合ったお金がないとこんな事は出来ません。要は会社としてかけられる金が違う。発売からもうすぐ3年が経過する同社FPSゲームの『オーバーウォッチ』も今までDLC商法が主流だったFPS業界において、一度も有料アップデートなしで今なお手が入っていますからね。やはりイチゲーマーとしては応援したくなりますし、感謝の意味も込めてキャラクタースキンに課金(キャラの外見が変わるだけで性能変化は無し)したりしてしまいます。開発インタビューを見ていたりすると、MHWは今までの国内市場だけではなく、タイトル宜しく世界的なヒットを狙った挑戦のためのタイトルのようですが、もっと頑張ってほしいですね。

  というわけで長々と記事を書いてみましたがいかがでしたでしょうか。MHWの良くなかった部分が目立つ記事になってしまいましたが、発売本数やゲームの内容を見てもすごく頑張っているタイトルだと思います。ですので、だからこそ頑張ってほしいという気持ちが強いです。MHWとはガツガツやりこまずまったりと付き合っていくか、と思いながら私自身このゲームを続けてきましたが、気が付いたらプレイ時間ももうすぐ720時間と、一般的に見ると割と引かれるレベルの時間になってなってきていますしね。

 

 次回の大きなアップデートは今年の秋ごろのようですが、これからもどんどん手を入れてより楽しく遊べるゲームになってくれたらと思います。及ばずながら応援するので頑張ってください!